産 後 う つ 病 と 百 合 病


祇園北新橋通り 有名料理屋が多い昼の静寂 夜はひとひとで混雑






母 体 に と って 胎 児 を 宿 す こ と は、 あ る 種 の 炎 症 状 態 が 引 き 起 こ さ れ る こ と に な る 。 妊 娠 中 はイ ン タ ー ロ イ キ ン( IL )や イ ン タ ー フ ェ ロ ン( IFN )な ど の、 炎 症 性 サ イ ト カ イ ン の 産 生 が 亢 進 し て い る 。 IL-1 や IL-6 や IFN-α な ど が 異 常 に 分 泌 さ れ る と、 コ ル チ コ ト ロ ピ ン 放 出 ホ ル モ ン( CRH )や ACTH や 糖 質 コ ル チ コ イ ド の 分 泌 が 高 ま る 。 こ の 視 床 下 部 - 下 垂 体 - 副 腎 系( HPA 系 )の ホ ル モ ン の 分 泌 が 亢 進 す る と、 う つ 病 発 症 の リ ス ク が 高 ま る 。

さ ら に IL-1 は 脳 内 の セ ロ ト ニ ン 情 報 伝 達 を 低 下 さ せ、 プ ロ ス タ グ ラ ン ジ ン( PG )の 産 生 を 促 進 す る 。 PG は モ ノ ア ミ ン( セ ロ ト ニ ン や ノ ル ア ド レ ナ リ ン )に よ る 神 経 伝 達 情 報 を ブ ロ ッ ク す る 。 こ の た め、 う つ 病 発 症 の 危 険 は さ ら に 高 ま る 。 他 に よ く 知 ら れ て い る こ と で あ る が、 妊 娠 ・ 出 産 に 伴 う 母 体 に お け る 女 性 ホ ル モ ン の 急 激 な 変 化 は、う つ 病 の 誘 発 因 子 と な る 。 昨 今 は ジ ェ ン ダ ー に 関 わ ら ず、 “ 労 働 ”( Labor )に よ る ス ト レ ス が、 う つ 病 の 原 因 と な る ご 時 世 の よ う で あ る 。

症 例 は 20 代 後 半 の 女 性 。 3 年 前 に 第 2 子 を 分 娩 。 産 後 1 ヶ 月 ほ ど し て 急 に 無 気 力 と な り、 不 安 感 に 襲 わ れ る よ う に な っ た 。 混 乱 状 態 も 出 現 す る よ う に な っ た が、 母 に 来 て も ら い 数 日 で 落 ち 着 き を 取 り 戻 し て い た 。 し か し、 産 後 4 ヶ 月 ほ ど し て パ ニッ ク に 陥 っ た た め 精 神 科 を 受 診、 SSRI安 定 剤 を 投 与 さ れ た 。 そ れ か ら 1 年 ほ ど し て 仕 事 に 復 帰 し た が、 た び た び 無 気 力 状 態 が 現 わ れ る た め、 そ の つ ど 実 家 で 静 養 を 繰 り 返 し て い た 。 漢 方 治 療 を 希 望 し 受 診 と な っ た 。

頭 が ス ッ キ リ し な い 。 体 が だ る く て ど う に も な ら な い 。 不 安 で 緊 張 し や す い 。 入 眠 が 悪 く 夢 が 多 い 。 寝 汗 が あ る 。 食 欲 は あ る が 便 秘 。 の ぼ せ は な い 。 手 と 下 半 身 の 冷 え が あ る 。 生 理 1 週 間 前 と 排 卵 日 に イ ラ イ ラ す る 。 月 経 血 は 少 な く、 血 塊 は な い 。 口 は 渇 く 。 脈 は 72、 沈 細 滑、 両 尺 無 力 。 舌 は 淡 紅、 化 燥 。 妊 娠 ・ 出 産 で 陰 血 が 消 耗 さ れ た た め、 代 償 的 に 代 謝 が 亢 進 し、 内 熱 が 産 生 さ れ 衝 逆 し、 心 を 擾 乱 す る に 至 っ た  こ れ で は 神 不 守 舎 と な っ て し ま う 。

治 療 は 滋 陰 清 熱 と し、 乾 地 黄 7、 当 帰 6、 芍 薬 7、 百 合 7、 麦 門 冬 7、 知 母 9、 黄 耆 5、 茯 苓 6、 遠 志 4、 大 棗 3、 酸 棗 仁( 炒 )15、 牡 蠣 7( 先 煎 )( す べ て 保 険 調 剤 )を 投 与 。 2 週 間 後、 イ ラ イ ラ し な く な っ た 。 尿 量 が 増 え、 足 の 冷 え が な く な っ た 。 眠 剤 を 半 量 に し た 。 2 週 後、 不 安 が な く な り 落 ち 着 い て き た 。 気 力 が で て き た 。 前 方 を 加 減 。 仕 事 に 復 帰 す る も 症 状 安 定 。 数 年 後、 う つ 病 の 完 治 を 確 認 し て い る 。

女 性 は 月 経 や 妊 娠 や 授 乳 な ど で 陰 血 が 不 足 し や す い 。 陰 血 が 不 足 す る と 心 陰 の 滋 養 が 不 足 す る 。 漢 方 で は 脳 の 働 き は、 心 が 代 行 す る も の と 考 え る 。 心 陰 が 不 足 す る と 脳 の 機 能 障 害 が 生 じ る 。 さ ら に 内 熱 も 追 い 打 ち を か け 産 後 う つ 病 が 発 症 し た 。 以 前 「 産 後 う つ 病 は 百 合 病 」 で、 本 症 は 『 金 匱 要 略 』 の 「 百 合 病 」 に 記 載 さ れ て い る 症 状 に 類 似 す る こ と を 指 摘 し た 。

本 例 で 用 い た 処 方 を 一 口 で 言 う と、 百 合 知 母 湯 + 百 合 地 黄 湯 + 括 樓 牡 蠣 散 に 、 肝 の 陰 血 を 補 う 当 帰 ・ 芍 薬 ・ 酸 棗 仁、 心 ・ 肺 の 陰 を 補 う 麦 門 冬 を 加 味 ・ 加 減 し た も の で あ る 。 木 は 火 を 生 じ、 金 は 木 を 剋 す る た め、 肝 の 陰 血 を 補 う の で あ る 。 百 合 に は 理 気 作 用 も あ る た め、 百 合 病 に は 欠 か せ な い 生 薬 だ 。 陰 血 が 恒 常 的 に 不 足 し や す い、 働 き 盛 り の 女 性 に も 有 用 で あ る
五 行 で 肝 は 木、 心 は 火、 肺 は 金 で あ る 。


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テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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