「 雨 乞 い 」 に 捧 げ る : 知 母 と 黄 耆


醍醐寺の五重の塔世界遺産「醍醐寺」三宝院庭園






70 代 の 女 性 。 数 ヶ 月 前 か ら 体 調 が す ぐ れ な い た め 数 ヶ 所 の 医 療 機 関 を 受 診 。 血 液 検 査、 X 線 検 査、 心 電 図、 CT ス キ ャ ン な ど を 受 け 治 療 す る も 改 善 な し 。体 が だ る く 疲 れ や す い 。 横 に な っ て い た い 。 体 が 浮 い て い る 感 じ が し て、 歩 い て い る と フ ラ フ ラ す る 。 時 々 の ぼ せ る 。 血 圧 は 140 / 80 。 脈 は 66 で 滑、 両 尺 弱、 左 尺 細 。 舌 は 淡 紅、 化 燥 し 剥 苔 あ り 。

陰 虚 陽 亢 で あ る 。 治 療 は 陰 を 補 い 火 を 消 す 。 乾 地 黄 7、 玄 参 5、 麦 門 冬 6、 五 味 子 5、 括 楼 根 6、 山 茱 萸 5、 芍 薬 5、 人 参 3、 知 母 6、 貝 母 4、 大 棗 3、 牡 蠣 6 ( 先 煎 )( す べ て 保 険 調 剤 )を 投 与 。 10 日 後、 症 状 改 善 。 疲 れ と の ぼ せ は ほ と ん ど 消 失 。 肩 が 痛 い 。 葛 根 7 を 加 え、 五 味 子 を 除 く 。 20 日 後、 ゴ ー ゴ ー 耳 鳴 り が す る 。 桂 枝 3、 黄 耆 5 を 加 え、 玄 参、 貝 母、 人 参 を 除 く 。 14 日 後、 耳 鳴 り は ほ ぼ 消 失 。 身 体 が 元 に 戻 っ た 。

患 者 は じ っ と し て い ら れ な い 働 き 者 。 い わ ゆ 陰 虚 体 質 で あ る 。 そ こ に 無 理 が た た り、 “ 陰 ” が 急 速 に 不 足 す る よ う に な っ た 。 そ こ で 陰 血 の 吸 収 ・ 産 生 を 促 進 さ せ る た め、 代 償 的 に エ ネ ル ギ ー 代 謝 を 亢 進 さ せ る 必 要 に 迫 ら れ た 。 こ れ が 恒 常 化 し た も の が 陰 虚 陽 亢 で あ る 。 乾 地 黄、 玄 参、 麦 門 冬 の 組 み 合 わ せ は 増 液 湯、 麦 門 冬、 五 味 子、 人 参 の 組 み 合 わ せ が 生 脈 散 で あ 。 陰 虚 が 長 引 け ば 正 気 も 不 足 す る( 陰 損 及 陽 )こ と に な る た め 人 参 が 必 要 と な る 。

陰 虚 陽 亢 で は 火( 陽 )が 上 亢 し、 の ぼ せ ・ め ま い ・ 頭 痛 ・ 耳 鳴 り な ど が 出 現 す る た め、 山 茱 萸、 五 味 子、 芍 薬、 牡 蠣 で 気 を 収 斂 し た 。 張 錫 鈍 は 黄 耆 と 知 母 の 組 み 合 わ せ を、 「 黄 耆 の 働 き は、 雨 が 降 ろ う と す る と き に 上 昇 す る 陽 気 で あ り、 知 母 は 雨 が 降 ろ う と す る と き 四 合 す る 陰 雲 で あ る 」 と 述 べ て い る 。 慈 雨 に よ り 大 地( 人 体 )が 潤 い、 生 命 が 甦 る 。

陰 虚 陽 亢 で は 火 が 上 昇 す る た め、 頭 が フ ワ フ ワ し た り、 体 が 浮 い て い る よ う な 感 じ や、 の ぼ せ た 感 じ が 出 現 す る 。 陰 の 不 足 は 月 経 や 出 産 を 経 験 す る 女 性 や 高 齢 者 に 多 く み ら れ る 。 長 命 で 元 気 な 高 齢 者 が 増 え る に つ れ、 陰 虚 陽 亢 は 日 常 的 に 経 験 さ れ る 。 一 方、 同 じ よ う な 症 状 は 湿 熱 で も み ら れ る 。 飽 食 の 時 代、多 く の 人 び と に 湿 熱 が 伏 在 し て い る の で あ る 。 陰 虚 陽 亢 と 湿 熱 は 漢 方 か ら み た 現 代 病 と 言 え そ う だ 。


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テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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