客 忤 に 甘 麦 大 棗 湯


盛岡城2盛岡城の桜





石割桜マンションだらけの盛岡市街(駅より)





岩手山(標高2038m)と北上川1県公会堂










            盛 岡 ブ ル ー ス     

後 期 高 齢 の 婦 人 。 以 前 か ら 不 眠 の た め 睡 眠 薬 を 服 用 し て い る 。 独 居 の た め か 夜 に な る と 不 安 に な る が、 何 と か 薬 で 睡 眠 可 能 で あ っ た 。 し か し 半 年 前 か ら 夜 中 に 必 ず 目 が 覚 め 、 不 安 で 耐 え られ な く な り、 姉 に 深 夜 に も 構 わ ず 電 話 を し て し ま う 。 時 に は 救 急 外 来 を 訪 れ 1 泊 す る 有 様 だ 。 漢 方 治 療 を 希 望 し 受 診 と な っ た 。

痩 せ 型 の 女 性 。 夜 中 の 不 安 感 を 元 気 な 声 で 多 弁 に 訴 え、 診 察 時 に は 抑 う つ 感 や 不 安 感 は 感 じ ら れな い 。 日 中 は 不 安 感 は 起 き な い 。 夢 は 多 い 。 食 欲 や 便 通 は 以 前 と 変 わ ら な い 。 冷 え や の ぼ せ や ほ て り も な い 。 血 圧 正 常 。 脈 は 64 滑、 按 じ て 無 力 。 舌 は 暗 紅 で 薄 白 苔 に 被 わ れ る 。 舌 下 静 脈 の 怒 張 は な い 。 腹 力 弱 で 、臍 傍に 動 悸 を 触 れ る 。 少 腹 不 仁 も あ り 。 桂 枝 加 竜 骨 牡 蠣 湯 を 投 与 。

2 週 間 後、 睡 眠 薬 な し で も 眠 れ る よ う に な っ た 。 し か し 相 変 わ ら ず 夜 中 に 目 が 覚 め 不 安 で 電 話 を し て し ま う 。 前 方 で も う 少 し 様 子 を み る こ と に 。 2 週 間 後、 改 善 が な い ば か り で な く 振 る え が き て し ま う 。 甘 麦 大 棗 湯 を 就 床 前 に 服 用 す る こ と に 。 覚 醒 も 少 な く な り 不 安 感 も 薄 ら い で き て い る よ う だ 。 2 剤 を 投 与 し 2 週 間 後、 夜 に な る と 多 少 不 安 は あ る が、 熟 睡 で き る よ う に な り 調 子 よ い 。 そ の 後、 桂 枝 加 竜 骨 牡 蠣 湯 は 中 止 し、 甘 麦 大 棗 湯 の み 服 用 中 。

天 子 が 御 所 に 鎮 座 で き な い よ う な 状 態 ( 神 不 守 舎 ) が 訪 れ る と、 人 民 は 不 安 に 陥 り、 世 の 中 は 大 い に 乱 れ る 。 神 の 御 座 所 が 人 体 で は 心 陰 に 相 当 す る 。 心 陰 が 不 足 す る と 人 々 は 不 安 を 感 じ、 夜 も お ち お ち 寝 て い ら れ な く な る の が 必 定 で あ ろ う 。 甘 麦 大 棗 湯 は、 小 麦 ・ な つ め ・ 甘 草 の 3 味 よ り な る シ ン プ ル な 方 剤 で あ る 。

小 麦 が 主 薬 で、 心 陰 を 補 う 。 心 陰 が 充 足す る と 安 寧 が 得 ら れ る 。 安 心 し た 赤 子 は 母 の 腕 の な か で 熟 睡 す る 。 母 親 の こ こ ろ が 不 定 で あ る と、 子 は 敏 感 に 察 し 泣 き 叫 ぶ 。 心 陰 が 不 足 す る と、 こ こ ろ は あ ら ゆ る こ と に 過 剰 に 反 応 す る す る よ う に な る 。 子 の 疳 の 虫 が 典 型 的 だ 。 ア ト ピ ー の 異 常 な 掻 き 毟 り 行 動 も こ れ だ 。 パ ニ ッ ク 発 作 や 月 経 前 症 候 群 ( PMS ) の 多 く も こ れ だ 。 甘 麦 大 棗 湯 が 効 く 。

浅 田 宗 伯 は 甘 麦 大 棗 湯 に つ い て 「 客 忤 ( き ゃ く ご ) は 大 抵 此 の 方 に て 治 す る な り 」 と 述 べ て い る 。 客 忤 と は 驚 き 怯 え る こ と で、 強 烈 な 不 安 状 態 を 呈 す る 。 杉 山 流 三 部 書 に 客 忤 は 心 経 の 熱 と あ る 。 熱 は 陰 を 灼 損 す る た め 陰 虚 と な る 。 ス ト レ ス ( 肝 鬱 ) で は 体 内 の 熱 産 生 が 高 ま り、 そ の 熱 が 五 行 で あ る に 伝 わ り、 心 陰 を 傷 る 。 多 く の 患 者 は 幼 児 性 を 感 じ さ せ る 。 不 安 社 会 だ 。 尚、 「 腹 證 奇 覧 翼 」 に は、 小 児 の 客 忤 に は 桂 枝 加 竜 骨 牡 蠣 湯 と あ る 。 上 熱 下 寒( 虚 熱 浮 越 )で 虚 熱 が 心 経 に 衝 逆 す る た め で あ ろ う 。


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テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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