竹 筎 温 胆 湯 は 万 能 薬



多彩な色彩の番傘のライトアップ(金沢・兼六園、November 24th,2012)紅葉はやや過ぎた感の兼六園、2012年11月24日













縄で防雪された松が池に映える(兼六園、金沢)幻想的な兼六園の能楽堂, 24 November 2012














40 代 男 性 。 1 年 前 よ り 頭 全 体 が 締 め つ け ら れ る よ う な 痛 み が 出 現 。 項 部 ~ 背 中 ~ 臀 部 ま で 引 っ 張 ら れ る よ う な 筋 肉 の こ わ ば り も 現 れ る よ う に な っ た 。 そ の た め ハ リ 治 療 や 大 学 病 院 で 星 状 神 経 節 ブ ロ ッ ク も 行 っ た が 効 果 な し 。 眼 圧 も 高 く 眼 科 で 治 療 も 受 け て い る 。 

血 圧 正 常 。 脈 は 84、 滑 偏 弦 。 尺 脈 弱 。 舌 は 淡 紅、 白 膩 苔 が 目 立 つ 。 軽 度 の 歯 痕 あ り 。 舌 下 静 脈 の 怒 張 あ り 。 食 欲 正 常 。 軟 便 気 味 。 汗 か き で 盗 汗 あ り 。 口 渇 あ り 。 神 経 質 の た め 安 定 剤 を 服 用 し て い る 。 頭 痛 は 一 日 中 で 天 気 に 左 右 さ れ な い 。 処 方 は 温 胆 湯 合 葛 根 湯 加 減 と し、 菊 花 9、 葛 根 12、 芍 薬 15、 牡 丹 皮 9、 半 夏 9、茯 苓 9、 竹 筎 9、 枳 実 6、 夏 枯 草 9、 滑 石 9、 甘 草 3、 釣 藤 鈎 10 ( 後 下 ) を 投 与 す る 。

2 週 間 後 。 少 し は よ く な っ た が、 時 に 喉 か ら 胸 に か け て 苦 し く な る 。 処 方 は 胸 の 症 状 に 着 目 し、 小 陥 胸 湯 加 葛 根 湯 加 減 と し、 葛 根 15、 芍 薬 20、 牡 丹 皮 10、 半 夏 10、 茯 苓 15、 栝 楼 仁 15、 枳 実 8、 夏 枯 草 12、 滑 石 12、 木 瓜 5、 甘 草 5、 釣 藤 鈎 10 ( 後 下 ) を 投 与 す 。

3 週 間 後 。 多 少 引 き つ れ が 悪 化 し て き た 。 側 頸 部 が み し み し す る 。 軟 便 は な く な り ス ッ キ リ で る 。 処 方 は 竹 筎 温 胆 湯 合 葛 根 湯 加 減 と し 、柴 胡 7 、芍 薬 20 、葛 根 15 、牡 丹 皮 10 、半 夏 10 、茯 苓 15 、竹 筎 10 、枳 実 8 、夏 枯 草 12 、滑 石 12 、木 瓜 5 、甘 草 5 、釣 藤 鈎 15 を 投 与 す る 。

6 週 間 後 。 よ く な っ て き て い た が 、急 に 寒 く な っ て き た た め か 、頭 痛 や 筋 肉 の 引 き つ れ が 悪 化 し て き た 。 夏 枯 草 を 山 梔 子 に 変 え 薬 量 を 多 少 加 減 し 、柴 胡 6、 芍 薬 20、 葛 根 15、 牡 丹 皮 10、 半 夏 10、 茯 苓 15、 竹 筎 10、 枳 実 8、 山 梔 子 10、 滑 石 10、 木 瓜 6、 甘 草 5、 釣 藤 鈎 15 へ 。

4 週 間 後 。 頭 痛 や 突 っ 張 り 感 が 大 分 楽 に な っ た 。 神 経 科 か ら の 安 定 剤 を 飲 ま な く て も よ い 。 光 が ま ぶ し く 感 じ、 目 の 乾 燥 感 が ま だ あ る 。 そ こ で 黄 連 3 を 追 加 し た と こ ろ、 目 の 症 状 や 眼 圧 も 改 善 し て き た 。

水 の 運 行 ( 流 通 ) が 停 滞 す る と 肌 肉 や 筋 に 痰 飲 ( 病 理 産 物 ) が 貯 留 す る 。 病 理 産 物 が 血 脈 や 神 経 を 圧 迫 す る と 疼 痛 や 筋 の こ わ ば り 等 が 出 現 す る 。 水 の 運 行 を 制 御 す る の は 経 絡 で は 少 陽 で あ る 。 少 陽 に は 胆 経 と 三 焦 経 が あ り、 水 の 運 行 ( 三 焦 ) を コ ン ト ロ ー ル す る 臓 腑は 胆 と な る 。 胆 は 肝 と 表 裏 の 関 係 に あ る た め、 肝 鬱 ( ス ト レ ス 等 ) は 胆 に 影 響 し、 水 の 運 行 不 利 を 引 き 起 こ す 。 肝 鬱 は 疼 痛 の 原 因 だ 。

症 例 は 神 経 科 通 院 中 で 脈 偏 弦 で あ り、 漢 方 的 に は 肝 気 鬱 結 の 状 態 と 考 え ら れ た 。 そ の た め 胆 の 働 き が 障 害 さ れ、 三 焦 水 道 の 運 行 不 利 が 生 じ、 病 理 産 物 で あ る 痰 飲 が 産 生 さ れ、 「 不 通 則 痛 」 と い う こ と で 疼 痛 が 生 じ た 。 痰 飲 が 疼 痛 の 原 因 で あ れ ば 治 療 に そ れ ほ ど 難 儀 は し な い 。 し か し 本 例 で は 慢 性 化 し 現 代 医 学 で も 効 果 が 認 め ら れ な か っ た 。 そ れ に は 自 律 神 経 の 失 調 が 関 与 し た の だ 。

精 神 が 不 安 定 に な れ ば 持 続 的 な 疼 痛 刺 激 は 大 脳 へ の 通 常 の 伝 達 経 路 以 外 に、 扁 桃 体 ( 大 脳 辺 縁 系 ) を 経 由 す る 伝 達 路 が 形 成 さ れ ( 脳 の 可 塑 性 )、 精 神 的 な 要 因 が 疼 痛 の 感 受 性 を 亢 進 さ せ る 。 肝 鬱 は 疼 痛 を 慢 性 化 さ せ 治 り 難 く す る 。 本 例 の 治 療 を 振 り 返 って み る と、 疏 肝 解 鬱 の 柴 胡 を 治 療 に 採 用 し て か ら、 疼 痛 の 改 善 が 明 ら か に な っ て き た 。

胆 の 働 き を 改 善 し 痰 飲 を 除 く 温 胆 湯 だ け で は 力 不 足 で あ っ た 。 精 神 的 要 因 が 強 い 場 合、 柴 胡 ( 竹 筎 温 胆 湯 ) の 出 番 で あ る 。 気 の 流 れ を 理 ( お さ め )、 痰 を 水 に 化 ( か え ) し、 排 除 す る ( 理 気 化 痰 ) 。 精 神 疾 患 だ け で な く 疼 痛 疾 患緑 内 障 に も 竹 筎 温 胆 湯 は 奏 功 す る 。


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テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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