ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 は 漢 方 で 治 す



ふるさの山「岩手山」と柳あおめる「北上川」(盛岡駅前の開運橋より)新渡戸稲造先生ブロンズ像(生誕地盛岡市)












    ふ る さ と の 山 に 向 ひ て 言 ふ こ と な し
             ふ る さ と の 山 は あ り が た き か な

    や わ ら か に 柳 あ を め る 北 上 の
             岸 辺 目 に 見 ゆ 泣 け と ご と く に    石 川 啄 木

        わ れ 太 平 洋 の か け 橋 と な ら ん    新 渡 戸 稲 造


40 代 男 性 。 小 学 入 学 前 か ら の 全 身 性 の ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 で 通 院 中 。 治 療 は ス テ ロ イ ド 軟 膏 と 抗 ヒ ス タ ミ ン 剤 の 服 用 で あ っ た が、 数 か 月 前 か ら ス テ ロ イ ド の 経 口 剤 が 開 始 さ れ た が 改 善 な い た め、 友 人 の 紹 介 で 受 診 。 脈 は 80 で 滑、 有 力 。 舌 は 暗 紫 紅、 白 膩 苔 で 被 わ れ る 。 食 欲 は 良 好、 二 便 も 正 常 。 睡 眠 は よ く な い 。 皮 膚 は 全 体 に 乾 燥 黒 色 化 し、 四 肢 に は イ ボ (結 節) 状 に 隆 起 し た 病 変 が 多 数 認 め ら れ、 痒 み が ひ ど く 掻 く と 出 血 す る 。 顔 は ほ て り、 汗 か き で あ る が、 口 渇 は そ れ ほ ど で は な い 。

湿 熱 内 蘊 し、 そ れ が 肌 表 に 溢 出 し、 皮 膚 炎 を 引 き 起 こ し て い る 。 治 療 は 化 痰 清 熱 が 中 心 で あ る 。 蒺 梨 子 9、 芍 薬 9、 牡 丹 皮 9、 半 夏 9、 茯 苓 9、 栝 楼 仁 15、 枳 実 6、 黄 連 5、 山 梔 子 9、 夏 枯 草 9、 黄 柏 9、 甘 草 5 を 投 与 。 2 週 間 後、 痒 み が 減 少 し 皮 膚 の カ サ カ サ も 改 善 し て き た 。 四 肢 の ボ コ ボ コ し た 病 変 が 少 な く な っ て き た 。 釣 藤 鈎 10 (後下) を 前 方 に 加 え る 。 4 週 間 後、 さ ら に 改 善 し て き た 。 ス テ ロ イ ド の 経 口 が 減 量 と な っ た 。 顔 が 多 少 赤 い 。 石 膏 30 を 前 方 に 加 え る 。 そ の 後 も 順 調 に 経 過 し て い る 。

現 代 人 は 飲 食 の 過 剰 で 胃 に 湿 濁 と 熱 が 停 滞 し 湿 熱 を 形 成 す 。 湿 熱 が 胸 を 痞 塞 す る と、 胃 気 が 上 行 で き な く な る た め、 湿 熱 と 共 に 肌 表 に 外 溢 し、 皮 膚 を 燻 蒸 す る た め 皮 膚 炎 が 発 症 す る 。 熱 の た め 皮 膚 は 赤 黒 く な り ( ス テ ロ イ ド の 影 響 大 )、 湿 の た め グ ジ ュ グ ジ ュ し た り ボ コ ボ コ ( 隆 起 ) す る 。 熱 は 風 を 舞 わ せ る た め 痒 み が ひ ど く な る 。 長 引 く と 傷 陰 す る た め 陰 血 が 不 足 す 。

本 例 は 体 質 の た め か 傷 陰 ま で は 進 ん で は い ず、 湿 熱 の 産 生 ・ 停 滞 が 主 因 で あ る 。 治 療 は 痰 を 化 し、 熱 を 清 す る こ と に あ る 。 痒 み が ひ ど い の は “ 風 ” が 吹 い て い る 場 合 が 多 い 。 し か し こ の 風 は 外 邪 で は な く 体 内 で 生 じ た “ 内 風 ” で あ る 場 合 が 圧 倒 的 。

内 熱 が 著 し い 場 合、 袪 風 薬 で あ る 防 風 や 荊 芥 は 症 状 を 悪 化 さ せ る 危 険 が あ る 。 そ こ で 本 例 で は 熄 風 を 行 う べ く、 釣 藤 鈎 を 投 与 し た 。 最 近 皮 膚 病 の 痒 み に 抑 肝 散 が 有 効 と の 報 告 が 多 い 。 釣 藤 鈎 は 興 奮 性 神 経 伝 達 物 質 で あ る グ ル タ ミ ン 酸 を 抑 制 す る た め、 認 知 症 の 異 常 行 動 や 不 眠 や 痒 み に も 奏 功 す る の だ

尚、 胸 の 湿 熱 (痰火) が 除 か れ る と、胃 気 が 上 昇 し 全 身 を 行 る 。 胃 気 が 湿 熱 を 伴 い 皮 膚 に 外 溢 し な く な る た め、 皮 膚 病 は 治 る 。 胸 の 湿 熱 を 除 去 す る の が 小 陥 胸 湯 ( 半 夏 ・ 栝 楼 仁 ・ 黄 連 ) 。 本 例 の 処 方 は小 陥 胸 湯 加 減 と も い え る 。 著 者 は 気 管 支 喘 息 に 小 陥 胸 湯 加 減 が 奏 功 し た 3 症 例 を 1999 年に 報 告 し て い る 。 小 陥 胸 湯 に 杏 仁 ・ 芍 薬 ・ 牡 丹 皮 ・ 枳 実 ・ 山 梔 子 ・ 石 膏 ・ 牡 蠣 な ど を 加 味 し、 20 年 以 上 前 か ら 多 く の 喘 息 を 治 し て き た 著 者 は ア ト ピ ー を 治 療 す る と き、 小 さ な 女 の 子 を 思 い 出 す 。


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テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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