潰 瘍 性 大 腸 炎 に 胃 風 湯


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          Kyoto Dancing in Tokyo

「 幾 松 物 語 」 ( 美 原 研 ) に 「 都 を ど り 」 に つ い て の 記 述 が あ っ た 。 ( 著 者 注 : 幾 松 と は 木 戸 孝 允 参 議 夫 人 と な っ た 松 子 の 芸 名 )

天 皇 行 幸 ・ 東 京 遷 都 の 後、 衰 退 し た 京 都 の 活 性 化 の 目 的 で、 第 一 回 京 都 博 覧 会 が 明 治 5 年 に 開 催 さ れ る は こ び と な っ た 。 そ の 余 興 と し て 「 京 都 の 舞 」 を 行 う こ と に な っ た の だ が、 役 所 側 か ら 名 称 と し て 「 み や び 踊 り 」 が 提 案 さ れ た 。 京 は 雅 な の だ 。

が、 幾 松 の 舞 の 姉 弟 子 に あ た る 春 子 ( 著 者 注 : 後 の 井 上 流 三 世 家 元 ) が、 「 井 上 流 京 舞 は 踊 り で は お へ ん、 舞 ど す 」 と 強 く 主 張 し、 府 側 と 喧 々 諤 々 の 論 争 と な っ た 。 結 果、 「 み や び 」 を 「 都 」 に、 「 踊 り 」 を 「 を ど り 」 に、 変 え る こ と で 妥 協 が 図 ら れ た の で あ る 。

ス ト レ ス 社 会 の た め か 潰 瘍 性 大 腸 炎 が 増 加 し て い る 。 以 前、 本 症 に 当 帰 芍 薬 散 桂 枝 人 参 湯 が 奏 功 し た 症 例 を 紹 介 し た 。 使 用 し た エ キ ス 剤 の 方 意 は 胃 風 湯 で あ る 。 胃 風 湯 に は 粟 ( ア ワ ) が 含 ま れ て い る が、 そ の 効 能 に つ い て 論 じ た 文 献 を 知 ら な い 。

著 者 は 粟 の 効 能 は、 米 ぬ か に も 含 ま れ て い る フ ェ ル ラ 酸 に よ る も の と 考 え て い る 。 紹 介 し た 症 例 で も 米 ぬ か を 毎 日 摂 取 す る よ う に な り、 さ ら に 症 状 が 改 善 し て い る 。 検 索 し た と こ ろ、 米 糠 由 来 植 物 性 ス テ ロ ー ル フ ェ ル ラ 酸 エ ス テ ル の 抗 酸 化 お よ び 抗 炎 症 作 用 の 研 究、 と い う 論 文 が ヒ ッ ト し た 。 γ-oryzanol が key と い う の だ 。

論 文 で は 米 ぬ か に 含 ま れ る γ-oryzanol が、 DSS 誘 発 潰 瘍 性 大 腸 炎 モ デ ル の 腸 炎 を 著 明 に 抑 制 し た 。 γ-oryzanol と は フ ェ ル ラ 酸 に ア ル コ ー ル が エ ス テ ル 結 合 し た 物 質 で、 働 き は フ ェ ル ラ 酸 そ の も の で あ る 。 粟 や 米 糠 が 潰 瘍 性 大 腸 炎 の メ シ ア と な る か  ハ イ ゼ ッ ト と し て 薬 価 収 載 さ れ て い る 。 認 知 症 に も 有 効 で あ る 。


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潰 瘍 性 大 腸 炎 に 桂 枝 人 参 湯 + 当 帰 芍 薬 散


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中 年 女 性 。 二 十 歳 の 頃 か ら 便 秘 の た め い ろ い ろ 下 剤 を 使 用 し て い た 。 5 年 前 、仕 事 の ス ト レ ス が 続 い て い た と こ ろ 、ど す 黒 い 血 便 が 出 現 。 血 便 が 現 れ る 半 年 前 か ら 下 剤 を 中 止 し て い た の に 軟 便 が 持 続 し て い た 。 腹 痛 は 1 度 も 認 め ら れ な か っ た 。 大 腸 フ ァ イ バ ー で 全 大 腸 型 の 潰 瘍 性 大 腸 炎 と 診 断 さ れ 、ス テ ロ イ ド 60 ㎎ の 投 与 を 受 け る も 改 善 が な い た め 、ス テ ロ イ ド の パ ル ス 療 法 を 開 始 し 寛 解 状 態 が 得 ら れ ス テ ロ イ ド か ら 離 脱 で き た 。 し か し 4 月 後 に は 再 燃 が 出 現 し た た め ス テ ロ イ ド を 再 開 。 免 疫 抑 制 剤レ ミ ケ ー ド さ ら に ヒ ュ ミ ラ も 導 入 し た が 、 効 果 は 認 め ら れ な か っ た 。 そ の 後 は ス テ ロ イ ド を 減 量 す る と 、症 状 の 増 悪 を 繰 り 返 し 、ス テ ロ イ ド 依 存 状 態 に 陥 っ た 。 そ こ で 医 療 機 関 よ り 外 科 的 治 療 を 提 示 さ れ た が 、 本 人 は 拒 否 し 漢 方 治 療 を 希 望 し た め 紹 介 状 を 持 参 し 受 診 。

現 在 の 処 方 は 、ア サ コ ー ル 3600 mg 、プ レ ド ニ ン 5 mg 、リ ン デ ロ ン 坐 剤 1 mg に 胃 薬 と 骨 粗 鬆 薬 が 投 与 さ れ て い る 。 顔 貌 は 浮 腫 状 で 萎 黄 。 食 欲 は 以 前 か ら 良 好 。 口 は 乾 く が 喜 暖 。 便 は 1 日 1 回 で 、有 形 か ら 軟 。 立 ち 仕 事 を し て い る と 腹 圧 で ガ ス が プ チ プ チ と 出 る が 、便 の 漏 れ は な い 。 尿 量 は 少 な い 。 冷 え 性 で 一 晩 中 電 気 ア ン カ を 使 っ て い る 。 寝 つ き が 悪 く 眠 り が 浅 い 。 脈 は 60 で 、沈 細 hara 弱 。 舌 は 暗 紅 色 で 、白 厚 苔 満 布 だ が 、 後 部 に 剥 苔 を 2 ケ 認 め る 。 腹 部 は 腹 力 3/5 で 、 心 下 痞 を 認 め た 。 瘀 血 の 圧 痛 や 動 悸 は 認 め な い 。下 腿 に 浮 腫 な し 。 桂 枝 人 参 湯 + 当 帰 芍 薬 散 を 投 与 し た 。

2 週 間 後 、便 の 量 が 微 妙 に 少 な く な っ た よ う だ 。 立 位 で プ チ プ チ 出 て い た ガ ス が 減 っ た 。 冷 え が 改 善 し 床 を 素 足 で 歩 け る よ う に な っ た 。 前 方 を 投 与 。 4 週 間 後 、便 は 有 形 と な っ た 。 前 回 の 受 診 か ら 数 日 し て 、プ レ ド ニ ン が 1 錠 か ら 半 錠 に 減 っ た 。 10 年 前 か ら 寝 つ き が 悪 く 、1 ∼ 2 時 間 も か か る 。 半 年 前 か ら 、 胃 カ メ ラ で 使 う 麻 酔 ゼ リ ー の 前 処 置 で み ら れ る よ う な 痺 れ が 舌 に あ っ た が 良 く な っ た 。 顔 の む く み が 少 な く な っ た 。 前 方 に 甘 麦 大 棗 湯 を 加 味 。

潰 瘍 性 大 腸 炎 の 虚 証 に 用 い ら れ る 方 剤 に 胃 風 が あ る 。 構 成 生 薬 は 、 当 帰 ・ 芍 薬 ・ 川 芎 ・ 人 参 ・ 白 朮 ・ 茯 苓 ・ 桂 枝 ・ 粟 で あ る 。 本 例 で 処 方 し た 当 帰 芍 薬 散 の 構 成 生 薬 は 当 帰 ・ 芍 薬 ・ 川 芎 ・ 白 朮 ・ 茯 苓 ・ 沢 瀉 、 桂 枝 人 参 湯 は 桂 枝 ・ 人 参 ・ 白 朮 ・ 乾 姜 ・ 甘 草 で あ る 。 当 帰 芍 薬 散 + 桂 枝 人 参 湯 と 胃 風 湯 の 構 成 生 薬 は か な り 似 て い る 。 沢 瀉 ・ 乾 姜 ・ 甘 草 は 余 計 だ が 、 不 足 は 粟 だ け で あ る 。胃 風 湯 は 脾 胃 が 虚 し 、 血 も 虚 し て い る 方 が 対 象 の 方 剤 で あ る 。 脾 胃 が 虚 せ ば 水 停 が 生 じ る た め 沢 瀉 は 好 都 合 で あ る 。 本 例 は 冷 え ( 虚 寒 ) も み ら れ る た め 乾 姜 も あ る 方 が よ い 。 問 題 は 粟 だ 。

粟 ( ア ワ ) は イ ネ 科 の 穀 物 で あ り 、 く す り と は 縁 遠 い 存 在 に 感 じ る が 、漢 方 エ キ ス 製 剤 の 中 に も イ ネ 科 の 穀 物 が 含 ま れ る も の が あ る 。 白 虎 加 人 参 湯 の 粳 米 、甘 麦 大 棗 湯 の 小 麦 で あ る 。 と も に 籾 殻 つ き の も の が 用 い ら れ る 。 米 や 小 麦 に は フ ェ ル ラ 酸 が 多 く 含 ま れ る 。 フ ェ ル ラ 酸 は ア ラ ビ ノ ー ス と エ ス テ ル 結 合 し 、 さ ら に キ シ ラ ン と 結 合 し た も の が 二 量 体 と な り 、 植 物 の 細 胞 壁 の 重 要 な 構 成 成 分 と な る 。 残 念 な こ と に ヒ ト は 細 胞 壁 内 の フ ェ ル ラ 酸 を 分 解 吸 収 し 利 用 す る こ と は で き な い 。 し か し 米 や 麦 に 含 ま れ る フ ェ ル ラ 酸 は 消 化 吸 収 す る こ と が で き る 。 く す り と な り 得 る

フ ェ ル ラ 酸 に は 抗 酸 化 作 用 ・ 抗 炎 症 作 用 ・ 抗 う つ 作 用 、さ ら に は 認 知 症 を も 防 止 す る 作 用 が 存 在 す る 。 当 然 、潰 瘍 性 大 腸 炎 に も 抗 炎 症 作 用 を 発 揮 す る こ と が 期 待 さ れ る 。 実 際 「 粟 を 加 味 し た 後 に 粘 血 便 が 著 明 に 減 少 し た 潰 瘍 性 大 腸 炎 の 一 例 」 と 題 す る 報 告 が あ る 。 著 者 は 粟 の 薬 効 は フ ェ ル ラ 酸 に よ る も の と 考 え てい る 。 甘 麦 大 棗 湯 の 薬 効 が フ ェ ル ラ 酸 に よ る も の と い う 仮 説 は、 何 度 も ブ ロ グ で 紹 介 し て き た 。 本 例 も フ ェ ル ラ 酸 の 効 果 を 期 待 し 三 診 時 に 甘 麦 大 棗 湯 を 加 味 し て み た 。 結 果 は 後 日 報 告 予 定 。

 フ ェ ル ラ 酸 が 潰 瘍 性 大 腸 炎 に 有 効 、と の 博 士 論 文 を 発 見
報 告 は 第 60 回 日 本 東 洋 医 学 会 関 東 甲 信 越 支 部 学 術 総 会 で の 東 京 女 子 医 大 東 洋 医 学 研 究 所 池 田 郁 雄 ら に よ る も の


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潰 瘍 性 大 腸 炎 に 「 温 経 湯 」


外堀と中央線と桜(from 香織先生)外堀と並行して走る中央線 (from 香織先生 in Tokyo





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20 代 男 性 。 4 年 前 、突 然 血 便 が 出 現 し た た め 病 院 を 受 診 し 潰 瘍 性 大 腸 炎 と 診 断 さ れ た 。 治 療 は メ サ ラ ジ ン と 整 腸 剤 、そ れ に 症 状 悪 化 時 に 使 用 す る 注 腸 用 の 薬 も 投 与 さ れ 治 療 を 続 け る も 、症 状 の コ ン ト ロ ー ル が う ま く い か な い た め 漢 方 薬 を 希 望 し 受 診 し た 。

体 格 は や や 痩 せ 型 で 顔 が 白 っ ぽ い 。 全 体 に 淡 色 調 の ニ キ ビ が み ら れ る 。 脈 は 72 で 滑 、尺 脈 弱 。 舌 は 暗 紅 で や や 紫 色 調 。 薄 白 苔 に 被 わ れ る が 前 部 は 少 苔 。 舌 下 静 脈 の 怒 張 な し 。 腹 診 で 心 下 痞 、右 季 肋 部 に 腹 壁 の 緊 張 と 臍 下 に 正 中 芯 を 認 め る 。 腹 力 は 中 等 度 。 食 欲 正 常 。 口 渇 は な い が 口 唇 は 乾 燥 し や す い 。 便 は 日 に 3 ∼ 4 回 。 有 形 便 は 0 ∼ 1 回 、残 り は ガ ス と 粘 液 便 で 不 快 で あ る 。

便 に と き ど き 血 便 ( 血 液 付 着 ) が み ら れ る 。 腹 痛 は な い が 、腹 が 張 っ て ゴ ロ ゴ ロ な る 。 睡 眠 は 良好 。 両 手 に 肌 荒 れ が 目 立 ち 、ガ サ ガ サ ・ ゴ ボ ゴ ボ し て い る 。 痒 み は な い 。 以 前 は 手 背 だ け で あ っ た が 、最 近 は 手 掌 も 荒 れ る よ う に な っ て き た 。 手 掌 に 熱 感 を 感 じ る が 、足 は 冷 え る 。 潰 瘍 性 大 腸 炎 が 発 症 す る 1 ∼ 2 年 前 に 、両 側 の下 腿 に 出 血 斑 が 出 現 し 、う っ 血 性 紫 斑 と 診 断 さ れ た こ と が あ る 。

温 経 湯 5 g /日 2 分 と 桂 枝 加 芍 薬 湯 5 g /日 2 分 を 投 与 。 4 週 間 後 、ガ ス と 粘 液 便 が な く な り 、 便 は 有 形 と な っ て き た 。 血 便 も な か っ た 。 腹 張 と ゴ ロ ゴ ロ も ほ と ん ど な く な っ た 。 食 欲 も 変 わ り な い 。 本 人 も お ど ろ く ほ ど 手 の 荒 れ が 改 善 し 、ツ ル ツ ル し て い る 。 ニ キ ビ は ほ と ん ど 同 様 だ 。 症 状 が 改 善 し て き た の で 前 方 を 投 与 中 。

本 例 で み ら れ た “ 手 の 荒 れ ” “ 手 掌 の ほ て り ” “ 口 唇 の 乾 燥 ” は 温 経 湯 の 証 と し て あ ま り に も 有 名 で あ る 。 さ ら に 『 金 匱 要 略 』 の 温 経 湯 の 条 文 に は 「 婦 人 年 五 十 所 , 病 下 利 数 十 日 不 止 , 暮 即 発 熱 , 少 腹 裏 急 腹 満 , ・ ・ ・ ・ ・ 」 と あ る 。 下 痢 が 何 日 も 治 ら ず 、右 の 下 腹 部 が 痛 み 、腹 も 張 っ て い る 、等 の 症 状 に は 温 経 湯 を 投 与 す べ し 、と 指 示 が あ る 。 本 例 は 女 性 で な い が こ れ に 従 っ た 。

本 例 は 顔 が 白 っ ぽ く 、足 が 冷 え 、臍 下 に 正 中 芯 が み ら れ る た め 、虚 に 傾 い て い る も の と 思 わ れ た 。 そ し て 腹 張 や 腹 鳴 が 著 し い た め 、腸 の 働 き を 整 え る 目 的 で 桂 枝 加 芍 薬 湯 も 使 用 し た 。 し か し 、温 経 湯 と 桂 枝 加 芍 薬 湯 の 構 成 生 薬 を 比 較 す る と 、 大 棗 を 除 けば 桂 枝 加 芍 薬 湯 の 構 成 生 薬 は す べ て 温 経 湯 に 含 ま れ て い る 。温 経 湯 は 桂 枝 加 芍 薬 湯 に 、半 夏 ・ 麦 門 冬 ・ 当 帰 ・川 芎 ・ 牡 丹 皮 ・ 阿 膠 ・ 呉 茱 萸 ・ 人 参 を 加 え た 構 成 だ 。 桂 枝 加 芍 薬 湯 は 不 要 か?

当 帰 ・ 芍 薬 ・ 川 芎 ・ 牡 丹 皮 は 活 血 化 於 し 、 阿 膠 は 陰 血 を 補 い 止 血 す る 。 桂 皮 は 気 血 の 流 通 を 改 善 す る 。 人 参 は 気 を 補 う 。 半 夏 は 化 痰 し 、 麦 門 冬 は 滋 陰 す る 。 呉 茱 萸 は 肝 を 温 め 血 流 を よ く す る 。 そ し て 桂 皮 + 芍 薬 で 腸 管 の 動 き を 改 善 す る 。 潰 瘍 性 大 腸 炎 が 西 洋 薬 だ け で 改 善 し な い の は 、腸 管 の 血 流 障 害 が 改 善 さ れ な い た め と 思 わ れ る 。 血 流 障 害 は 酸 化 ス ト レ ス を 生 じ 組 織 を 破 壊 す る 。 温 経 湯 は 血 流 を 改 善 し 、腸 管 組 織 を 修 復 す る の で あ ろ う 。

追 伸 : 温 経 湯 は 潰 瘍 性 大 腸 炎 の 頻 用 処 方 で あ る 胃 風 湯 に 似 る 。



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