「 産 後 う つ 病 」 の 原 因 は 陰 血 不 足



大王わさび農場, 8 October 2012松本市近郊, 大王わさび農場














統 合 失 調 症 の た め 通 院 中 の 女 性 。 投 薬 を 受 け て い る が 、体 調 不 良 の た め 漢 方 治 療 も 希 望 し 受 診 。 起 床 が つ ら く 体 が だ る い 。 頭 が ボ ー ッ と し て い て 、ス ッ キ リ し な い 。 食 欲 は あ る が 、便 秘 が ひ ど い 。 寝 つ きが 悪 く 、 何 度 も 目 が 覚 め る 。 寝 汗 が あ る 。 尿 が 少 な く 、 足 が む く む 。 生 理 の 前 は イ ラ イ ラ ・ カ ッ カ し 、 調 子 が 悪 い ( P M S ) 。 生 理 痛 は な い 。 冷 え は な く 、む し ろ ほ て る 感 じ が し 、 寝 汗 が あ る 。 口 が 渇 く 。

血 圧 正 常 。 脈 は 8 0 、沈 細 弦 、両 尺 無 力 。 舌 は 暗 紅 で 、少 苔 。 陰 虚 内 熱 、 虚 火 上 亢 が 主 た る 病 態 と 考 え 、 乾 地 黄 9 、玄 参 9 、 麦 門 冬 9 、括 楼 根 9 、百 合 9 、麻 子 仁 9 、何 首 烏 9 、知 母 9 、茯 苓 9 、遠 志 4 、枳 実 3 、 黄 耆 5 、車 前 子 9 、大 棗 3 、 牡 蠣 9 (先煎) 、 竜 骨 9 (先煎) を 投 与 。

4 週 間 後 、体 が シ ャ ン と し 、頭 も ス ッ キ リ し て き た 。 寝 つ き も よ く な り 、朝 ま で 眠 れ る よ う に な っ た 。 尿 も よ く 出 る よ う に な り 、 便 通 も 軟 ら か く な っ て き た 。 精 神 科 よ り の 薬 が 減 量 さ れ た 。 非 常 に 体 調 が 良 く な っ た の で 薬 を 続 け た い 、と の 本 人 の 希 望 。 服 薬 継 続 中 で 体 調 良 好 。

『 金 匱 要 略 』 の 「 百 合 狐 惑 陰 陽 毒 病 脈 証 治 第 三 」 の 冒 頭 に 、 百 合 病 の 綱 領 が 述 べ ら れ て い る 。 「 論 曰 . 百 合 病 者 . 百 脉 一 宗 . 悉 致 其 病 也 . 意 欲 食 .復 不 能 食 . 常 黙 黙 . 欲 臥 不 能 臥 . 欲 行 不 能 行 .欲 飮 食 或 有 美 時 . 或 有 不 用 聞 食 臭 時 . 如 寒 無 寒 . 如 熱 無 熱 . 口 苦 . 小 便 赤 . 諸 藥 不 能 治 . 得 藥 則 劇 吐 利 . 如 有 神 靈 者 . 身 形 如 和 . 其 脉 微 數 . 毎 溺 時 頭 痛 者 . 六 十 日 乃 愈 . 若 溺 時 頭 不 痛 淅 然 者 .四 十 日 愈 . 若 溺 快 然 . 但 頭 眩 者 . 二 十 日 愈 . 其 證 或 未 病 而 預 見 . 或 病 四 五 日 而 出 . 或 病 二 十 日 . 或 一 月 微 見 者 . 各 隨 證 治 之 . 」 。 条 文 の 口 苦 ・ 小 便 赤 ・ 脉 微 數 よ り 、 百 合 病 の 病 態 は 、 陰 虚 内 熱 と 考 え る 。

陰 虚 内 熱 で は 、 条 文 中 の 「 如 有 神 霊 者 」 の よ う に 、 “ 精 神 の 変 調 ” を き た す 可 能 性 が 生 じ る 。 女 性 は 月 経 が あ る た め 、 陰 血 の 不 足 が 生 じ や す い 。 と く に 出 産 後 や 閉 経 前 後 ( 加 齢 ) か ら 、 そ の 傾 向 が 顕 著 に な る 。 そ れ ゆ え 、女 性 は “ こ こ ろ の 病 ” に 罹 患 し や す い の だ 。 し か し 、 原 因 が 明 ら か で あ る 場 合 が 多 い た め 、 男 性 に 比 べ 治 療 は 容 易 で あ る 。 男 性 は 縦 社 会 の ス ト レ ス の た め 病 態 が 複 雑 だ 。

本 例 の 処 方 は 『 金 匱 要 略 』 に 記 載 さ れ て い る 、 百 合 地 黄 湯 ・ 百 合 知 母 湯 ・ 括 楼 牡 蠣 散 に 増 液 湯 、さ ら に 麻 子 仁 ・ 何 首 烏 ・ 茯 苓 ・ 遠 志 ・ 枳 実 ・ 黄 耆 ・ 車 前 子 ・ 大 棗 ・竜 骨 を 加 え た も の だ 。 滋 陰 薬 を 主 体 に 構 成 さ れ 、そ れ に 理 気 ・ 養 心 安 神 を 加 味 し た 。 何 首 烏 は 陰 血 を 補 う の で あ る が 、 養 心 安 神 の 意 味 も 込 め て い る 。 ツ ル ド ク ダ ミ の 塊 根 が 何 首 烏 、 茎 が 夜 交 藤 ( 保 険 適 用 外 ) の た め 、 何 首 烏 で 代 用 し た 。 黄 耆 は 陽 中 に 陰 を 求 め る ( 陰 薬 だ け で は 重 く 動 き 難 い ) の 意 だ 。

以 前 「 産 後 う つ 病 」 と 「 百 合 病 」 の 関 連 性 を 述 べ た こ と が あ る が 、 女 性 は 陰 血 不 足 に よ る 疾 患 が 多 く 、 滋 陰 清 熱 法 は 重 要 で あ る 。



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テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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