緑 内 障 の 漢 方 治 療 (●^o^●)


3 0 代 、男 性 。1 年 以 上 前 、仕 事 の ス ト レ ス で 抑 う つ 状 態 と な り 治 療 歴 あ り 。 1 0 年 前 に も 抑 う つ 症 状 が あ っ た 。 父 、祖 父 と も に 緑 内 障 。 3 か 月 前 に コ ン タ ク ト レ ン ズ を 作 る 際 、両 眼 の 緑 内 障 を 指 摘 さ れ た 。 3 ヶ 所 の 医 療 機 関 で 重 度 の 緑 内 障 (右>左) と 診 断 さ れ た た め 、ハ リ 治 療 に 通 う も 効 果 な く 、漢 方 治 療 を 希 望 し 受 診 。
脈 は 7 2 で 滑 有 力 。 舌 は 淡 紅 で や や 胖 、白 膩 苔 満 布 。 舌 下 静 脈 の 怒 張 軽 度 。 顔 貌 は 表 情 に 乏 し く 硬 い 。 苛 立 っ た 話 し 方 を す る 。 食 欲 は 良 好 だ が ゲ ッ プ が 多 い 。 ガ ス 多 く 腹 満 感 あ り 。 睡 眠 は 遅 く 起 床 も 遅 い 。 体 が 重 だ る く 、頭 が ボ ー ッ と し 、思 考 力 が 低 下 。 フ ラ フ ラ 、フ ワ フ ワ し て い る 感 じ だ 。 暑 が り で 汗 が 多 い 。 昔 か ら 痰 が 多 い 。 多 少 の こ と で イ ラ イ ラ し て 、怒 り っ ぽ く な る 。視 力 は 右 が よ り 悪 く 、視 野 が ぼ や け る 。 眼 痛 な し 。
肝 鬱 化 火 ・ 痰 火 上 擾 と 弁 証 し 、治 法 は 清 肝 明 目 ・ 瀉 火 滌 痰 と し た 。 処 方 は 竹 筎 温 胆 湯 加 減 と し 、柴 胡 7 、菊 花 9 、芍 薬 9 、牡 丹 皮 9 、半 夏 9 、茯 苓 9 、竹 筎 9 、陳 皮 6 、枳 実 5 、遠 志 5 、黄 連 5 、山 梔 子 9 、甘 草 3 、牡 蠣 10 (先煎) を 14 日 分 投 与 。
10 月 16日 (二診) 。 頭 が 多 少 ス ッ キ リ し 、メ ン タ ル も 上 向 い て き た 。 熱 感 も 改 善 し て き た 。 眼 科 で 誤 差 範 囲 だ が 、 改 善 し て い る と 言 わ れ た 。 表 情 は 大 分 穏 や か に な っ た 。 処 方 は 柴 胡 を 9 、黄 連 を 6 に 増 量 し 、山 梔 子 を 夏 枯 草 9 に 変 え 28 日 分 投 与 。
12 月 4日 (三診) 。 気 分 は 大 分 落 ち 着 い た 。 目 の 具 合 も 良 い 感 じ だ 。 服 薬 を 忘 れ て も 悪 化 し な い 。11 月 の 視 野 検 査 の 説 明 で 「 網 膜 の 神 経 が 増 え て い る よ う だ 」 と 言 わ れ た 。下 痢 は 止 ま っ た 。 ま だ 多 少 暑 く 感 じ 、と き ど き 盗 汗 が あ る 。 イ ラ イ ラ や 易 怒 は 少 な く な っ た 。 処 方 は 前 方 に 竜 骨 10 を 追 加 し 28 日 分 投 与 。
【 以 下 経 過 を 省 略 す る 】
「 肝 は 目 に 開 竅 す る 」 と 云 わ れ る 。 『 素 問 ・ 五 臓 生 成 篇 』 に は 「 肝 は 血 を 受 け て よ く 視 る 」 、『 霊 枢 ・ 脈 度 篇 』 に は 「 肝 気 は 目 に 通 じ 、肝 和 せ ば す な わ ち 目 は よ く 五 色 を 弁 ず 」 と あ る よ う に 、肝 と 目 の 間 に は 親 密 な 関 係 が 存 在 す る 。 目 が よ く 物 を 視 る た め に は 、肝 の 陰 陽 が 和 し 疏 泄 機 能 が 正 常 に 働 き 、気 血 が 目 に 上 達 し 清 竅 を 通 調 す る 必 要 が あ る 。
一 方 、本 例 で は ス ト レ ス に よ る 抑 う つ 症 状 が 認 め ら れ た 。 ス ト レ ス は 肝 の 疏 泄 機 能 を 障 害 す る た め 、気 の 流 通 を 阻 害 し 病 理 産 物 を 産 生 し 、種 々 の 精 神 症 状 を 引 き 起 こ す 。そ こ で 本 例 で 認 め ら れ た 緑 内 障 お よ び 抑 う つ 症 状 は 、肝 の 疏 泄 失 調 に 起 因 し 発 症 し た も の と 考 え ら れ た 。
肝 と 胆 は 不 可 分 な 関 係 に あ る た め 、肝 の 疏 泄 不 利 は 胆 に 直 接 的 な 影 響 を 与 え る 。 本 例 で は 肝 の 疏 泄 失 調 に よ り 胆 気 が 鬱 滞 し 、少 陽 三 焦 の 水 道 が 壅 滞 さ れ 痰 濁 が 産 生 さ れ た 。 肝 鬱 が 化 火 す る と こ れ を 燻 蒸 し 痰 火 に 転 化 し 、 一 方 で 肝 火 が 子 に 乗 じ 心 火 が 熾 盛 と な り 上 炎 し た 。こ の た め 清 竅 が 壅 閉 ・ 擾 乱 さ れ る こ と に な り 、視 覚 障 害 や 精 神 症 状 が 発 症 し た も の と 思 わ れ た 。 詳 細 は 後 日 掲 載 さ れ る 『 漢 方 の 臨 床 』 を ご 参 照 下 さ い !

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