嚥 下 障 害 に 人 参 湯! 六 君 子 湯!


寿司割烹 ぎおん佐藤. ここは旨い祇園 肉懐石 いっしん






★ 60 代 女 性 。 脳 出 血 後 遺 症 の た め 車 い す の 生 活 。 嚥 下 障 害 と 構 語 障 害 が 認 め ら れ る 。 一 時 嚥 下 が 悪 化 し た た め、 胃 瘻 よ り チ ュ ー ブ 栄 養 と な っ た 。 そ の 後 食 事 量 は 少 な い が 経 口 摂 取 が 可 能 と な っ た 。 し か し、 普 段 か ら 咽 喉 に 痰 が ゴ ロ ゴ ロ か ら み、 誤 嚥 に よ る と 思 わ れ る 発 熱 が 頻 回 に み ら れ、 そ の 都 度 抗 生 剤 の 投 与 が 行 わ れ て い る 。 患 者 は 痩 せ が 目 立 ち、 弱 々 し く 感 じ ら れ、 足 の 冷 え を 訴 え る 。 そ し て 口 角 よ り 透 明 な 流 涎 が 頻 繁 に 認 め ら れ る( 喜 唾 )。 そ こ で 人 参 湯 を 投 与 し た と こ ろ、 徐 々 に 食 事 量 が 増 加 し、 発 熱 や 流 涎 が 認 め ら れ な く な り 元 気 に な っ た 。

★ 80 代 男 性 。 心 筋 梗 塞 の た め 一 時 心 停 止 を き た し、 低 酸 素 脳 症 を 発 症 し た た め、 全 介 助 の 状 態 で、 ほ と ん ど 自 発 言 語 を 発 し な い 。 食 事 は 胃 瘻 よ り チ ュ ー ブ 栄 養 で あ る 。 脳 機 能 を 賦 活 す る た め サ ア ミ オ ン 15 mg 3× を 投 与 。 そ の 後 意 識 状 態 が 徐 々 に 改 善 し て き た た め、 少 量 の ア イ ス を 経 口 で 開 始 。 し か し、 痰 が 咽 喉 に か ら み、 ゼ ロ ゼ ロ す る 状 態 が つ づ き、 経 口 摂 取 量 も 増 え な い 。 そ こ で 半 夏 厚 朴 湯 を 投 与 。 2 週 間 後、 改 善 を 認 め な い た め、 六 君 子 湯 に 変 更 。 す る と 2 週 間 も た た ず、 痰 の か ら み が 減 少 し、 嚥 下 機 能 も 改 善 し て き た 。 小 声 な が ら 言 語 も 発 す る よ う に な っ て き た 。

嚥 下 障 害 や 誤 嚥 性 肺 炎 に 関 す る 半 夏 厚 朴 湯 の 報 告 は 多 数 認 め ら れ る が、 症 例 1 で は 人 参 湯 が 奏 功 し、 症 例 2 で は 半 夏 厚 朴 湯 が 無 効 で 六 君 子 湯 が 奏 功 し た 。 半 夏 厚 朴 湯 は サ ブ ス タ ン ス P を 増 加 さ せ、 嚥 下 反 射 や 咳 反 射 を 改 善 す る と い う 。 漢 方 的 に は 理 気 化 痰 降 逆 に 働 く 。 痰 で 咽 喉 が ゴ ロ ゴ ロ し 嚥 下 機 能 の 低 下 し た 状 態 に 効 き そ う だ 。 し か し 症 例 2 で は 無 効 で、 補 脾( 胃 )化 痰 薬 の 六 君 子湯 が 奏 功 し た 。 症 例 1 は 透 明 な 流 涎 が み ら れ( 寒 証 )、 気 の 衰 退 が 著 し い( 気 虚 ) た め、 人 参 湯 を 投 与 し 奏 功 し た 。

胃 瘻 に よ る 経 管 栄 養 患 者 で は、 誤 嚥 性 肺 炎 の 予 防 に 六 君 子 湯 が 有 効 と さ れ る 。 症 例 1、 2 と も 胃 瘻 が 造 設 さ れ て い る 。 胃 瘻 が 必 要 な 状 態 と は “ 虚 ” し た 状 態 で あ る 。 半 夏 厚 朴 湯 は 理 気 薬 で あ る た め、 気 を 損 耗 す る 危 険 が あ る 。 虚 し た 状 態 で は 尚 更 で あ る 。 両 例 と も 半 夏 厚 朴 湯 証 で は な く、 補 剤 が 必 要 な 状 態 で あ っ た 。 そ れ で は 症 例 1 に 六 君 子 湯 で は ど う で あ っ た ろ う 。 症 例 1 の 病 態 は “ 虚 寒 ” で あ る 。 六 君 子 湯 に は 陳 皮 が あ る が、 温 め る 乾 姜 が な い 。 陳 皮 に は 理 気 作 用 が あ る 。 症 例 1 の よ う に 寒 を 伴 い 気 衰 の 著 し い 状 態 に は で あ る 。

漢 方 の 治 療 は 「 証 」 に よ っ て な さ れ る 。 し か し 病 名 診 断 で も 有 効 な 場 合 も 多 い 。 脾 胃 の 虚 し た 嚥 下 障 害 に は 六 君 子 湯 症 例 2 の よ う な ケ ー ス に 適 応 す る 。 が、 症 例 1 の よ う に さ ら に 寒 が 加 わ れ ば、 随 証 治 療 が 必 要 に な る 。 病 名 治 療 だ け で は 漢 方 は 楽 し く な い 。 腕 も 上 が ら な い 。 ボ ケ 防 止 に も な り ま せ ん 。 尚、 嚥 下 障 害 に 人 参 湯 が 奏 功 し た 報 告 は な い よ う だ が、 桂 枝 人 参 湯 が 有 効 で あ っ た 1 例 報 告 が あ っ た 。

PS : 嚥 下 障 害 に 使 用 さ れ る 半 夏 厚 朴 湯 が、 う つ に も 有 効 で あ る こ と は 良 く 知 ら れ る が、 六 君 子 湯 も う つ に 有 効 で あ る 。 胃 で 産 生 さ れ る グ レ リ ン が、 視 床 下 部 に 働 き、 オ レ キ シ ン を 活 性 化 す る た め と 思 わ れ る 。


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「 脳 卒 中 」 の 漢 方 治 療



完成間近のスカイツリーを見上げると・・・巨大だ!ミラーに映るスカイツリーをバックにハイパチリ






先 日 、 東 洋 心 身 医 学 研 究 会 に 出 席 し て き た 。 こ の 手 の 研 究 会 で い つ も 気 に な る の が 座 長 の 能 力 で あ る 。 現 代 医 学 と 漢 方 医 学 の 双 方 と も に “ で き る ” 人 物 で な く て は な ら な い の だ が 、そ の よ う な 人 物 に は 残 念 な が ら ほ と ん ど お 目 に か か っ た こ と が な い 。 こ れ で は 漢 方 に 対 す る 誤 っ た 理 解 を 出 席 者 に 与 え 、 甚 だ 迷 惑 こ の 上 な い 。 自 分 で 言 う の も な ん だ が 、私 の よ う に 両 刀 使 い で な け れ ば ダ メ だ 。


脳 卒 中 に 対 す る 中 成 薬 ( 中 国 漢 方 薬 ) が 注 目 さ れ て い る が 、 こ れ ら は 5 ∼ 6 種 類 の 生 薬 か ら 構 成 さ れ て い る が 、 ス コ ー ピ オ ン ( サ ソ リ ) と ジ ン セ ン ( 朝 鮮 人 参 ) が 含 れ て い る 。 サ ソ リ は 生 薬 名 を 全 蝎 ( ゼ ン カ ツ ) と い い 、 経 絡 の 通 行 を 再 開 さ せ 、 麻 痺 を 改 善 す る 作 用 が あ る 。 同 様 の 薬 効 を 有 す る も の に 、 蜈 蚣 ( ゴ シ ョ ウ : ム カ デ ) や 地 竜 ( ジ リ ュ ウ : ミ ミ ズ ) が あ る 。 地 竜 は 前 二 者 に 比 べ 薬 効 が 劣 る が 、 解 熱 作 用 は 強 力 で あ る ( 一 説 に は ア ス ピ リ ン を 凌 ぐ と い う ) 。 20 年 前 、 顔 面 神 経 麻 痺 の 患 者 に 用 い た と き 、 か な り の 冷 え を 訴 え ら れ た ( 交 通 事 故 に よ る 顔 面 神 経 麻 痺 は ほ と ん ど 回 復 し た が ) 。

脳 卒 中 の 原 因 の 多 く は 、 肝 気 が 過 剰 に な る こ と に よ り  に 転 じ ( 化 火 ) 、 そ の た め に 生 じ た  に 乗 じ て が 上 炎 し 、 脳 ( 心 ) に 衝 突 し 擾 乱 す る た め 発 症 す る 。 火 は  を 挟 ん で 上 昇 す る 場 合 も 多 く 、 そ の 場 合 痰 に 対 す る 配 慮 も 必 要 に な る 。 肝 気 が 過 剰 ( 火 ) に な る 背 景 に は 、 ス ト レ ス や 加 齢 に よ る 腎 陰 の 不 足 が 考 え ら れ る 。

陰 は 陽 を 制 約 す る た め 、 腎 陰 ( 陰 血 ) が 不 足 す る と 相 火 を 抑 制 で き な く な る 。 相 火 は 下 焦 ( 腎 肝 ) の 火 で あ る。 急 性 期 の 治 療 は 西 洋 医 学 が 優 先 さ れ が 、 漢 方 で は 玄 参 や 芍 薬 や 天 門 冬 で 肝 腎 の 陰 を 補 い 、 草 決 明 や 釣 藤 鈎 や 石 決 明 な ど で 清 肝 潜 陽 し 、 気 ( 火 ) を 下 ろ す た め 牛 膝 や 代 赭 石 を 用 い る 。 痰 を 挟 む 場 合 は 、石 菖 蒲 や 竹 茹 な ど を 加 え 開 竅 ( 正 気 を 通 行 ) さ せ る 必 要 が あ る 。

現 代 で は 漢 方 薬 の 適 用 と な る の は 、 急 性 期 を 過 ぎ た 麻 痺 の 残 存 す る ケ ー ス で あ る 。 安 定 期 ( 急 性 期 後 ) で の 治 療 は 、 経 絡 の 疎 通 を 改 善 す る こ と で あ る 。 麻 痺 に よ り 経 絡 の 気 血 が 空 虚 に な り 瘀 血 も 生 じ て い る た め 、経 絡 内 の 気 血 を 充 実 さ せ 通 じ さ せ る こ と が 目 的 と な る ( 益 気 活 血 通 絡 ) 。 朝 鮮 人 参 は  の 上 昇 を 助 長 す る た め 、急 性 期 に は 原 則 禁 忌 で あ る 。 気 の 乏 し い 慢 性 期 に 用 い ら れ る 。

こ の よ う な 場 合 、し ば し ば 補 陽 還 五 湯 が 用 い ら れ る 。 生 薬 構 成 は 当 帰 ・ 赤 芍 ・ 川 芎 ・ 桃 仁 ・ 紅 花 ・ 黄 耆 ・ 地 竜 で あ る 。 気 血 の 不 足 に よ ら ず 、 気 が 鬱 滞 ( 気 滞 ) し て 通 じ な い の で あ れ ば 、 血 府 逐 瘀 湯 を 用 い る 。 む ろ ん 邪 ( 火 や 痰 ) が 存 在 す る と き は 、そ れ ( 病 理 産 物 ) に 対 す る 処 置 も 欠 か せ な い 。 火 で あ れ ば 清 熱 解 毒 、 痰 な ら 化 痰 だ 。

気 の 運 行 が 滞 る と 、血 の 流 れ も 停 滞 す る た め 、 瘀 血 が 産 生 さ れ る 。 血 府 逐 瘀 湯 は 気 滞 に と も な う 瘀 血 気 滞 血 瘀 ) に 頻 用 さ れ る 。 原 因 不 明 の 「 発 熱 」 や 「 発 汗 」 は 、 瘀 血 に 起 因 す る 場 合 が あ る 。 血 流 が 鬱 滞 す る と サ イ ト カ イ ン が 放 出 さ れ る た め と 思 わ れ る 。 現 代 ス ト レ ス 社 会 で は 遭 遇 す る 機 会 が 高 い 、 の で は あ る ま い か 。 今 日 、 中 医 学 は ワ ー ル ド ワ イ ド に 認 知 さ れ て い る 。 そ れ に 比 べ る と 日 本 漢 方 の レ ベ ル は ・ ・ ・ ・ ・ 、 ま だ ま だ ロ ー カ ル な の で あ る 。

続 命 湯 や 小 続 命 湯 に つ い て は 以 前 の ブ ロ グ を 参 照 く だ さ い 。



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「 脳 卒 中 」 の 語 源



新宿京王プラザホテルのイルミネーション






脳 卒 中 : 脳 が 卒 ( 然 ) 、風 に 中 ( あ た ) り 、麻 痺 を 来 た す こ と 。 冬 の 浜 風 に 当 っ て い る と 、足 が 重 く か じ か ん で 歩 け な く な る 。 湿 っ た 冷 た い 風 が 侵 襲 し 、気 血 の 流 れ を 阻 滞 し て 発 症 す る 。 外 感 風 邪 に 中 り 、麻 痺 が 生 じ る ; 中 風 の 本 来 の 意 味 で あ る 。

し か し 、脳 卒 中 が 外 風 に 中 って 発 症 す る と 考 え る 者 は い な い 。 脳 卒 中 と は 突 然 の 脳 血 管 傷 害 で あ り 、内 的 問 題 で 発 症 す る 。 で は 何 故 、卒 中 ( 風 ) と 云 わ れ る よ う に な っ た の で あ ろ う か ?

古 代 の 風 へ の 認 識 は 、止 ま ら ず し て 動 き 、変 化 を 引 き 起 こ す 。 そ の 認 識 ゆ え 、突 然 の 麻 痺 は 風 の 為 、と 古 人 は 考 え た 。 だ が 、脳 卒 中 の 風 は 外 来 で は な く 、 体 内 で 発 生 し た 内 風 な の だ 。

五 行 で 風 は 肝 木 に 属 す る 。 木 ( 肝 ) は 相 生 で 火 ( 心 ) を 生 ず 。 風 ( 肝 ) は 火 の 勢 い を 強 め 、火 は 風 を 生 じ 、風 火 と な り 昇 る 。 「 風 火 」 は 気 血 を 伴 い 上 昇 す る た め 、気 血 が 脳 内 を 擾 乱 す る 。 頭 痛 ・ 眩 暈 が 生 じ る 。 血 行 を 逆 上 す る と 、脳 循 環 が 破 綻 す る 。

「 諸 風 掉 眩 は 皆 肝 に 属 す る 」 。 内 風 は “ 肝 ” に 起 因 す る の だ 。 肝 鬱 化 火 に な る と 、肝 の 相 火 や 心 の 君 火 を 過 剰 に 産 生 す る 。 相 火 ・ 君 火 は 少 火 で あ る が 、過 剰 に な る と 壮 火 ( 邪 ) と な る 。 火 邪 は 上 昇 し 脳 を 衝 く 。 種 々 症 状 が 出 現 す る ( 肝 風 内 動 )。

脳 卒 中 と は 内 生 の 風 火 、す な わ ち “ 内 風 ” に 中 る こ と で あ る 。 す な わ ち 、脳 卒 中 ← 脳 卒 中 風 ← 脳 卒 中 内 風 と い う 構 図 だ 。 外 来 の 風 ( 外 風 ) に よ り 生 じ た 疼 痛 や 麻 痺 は 、「 痺 証 」 と い う 。 

外 風 は 脳 卒 中 ( 脳 血 管 傷 害 ) の “ 直 接 ” の 原 因 と は な ら な い 。 顔 面 神 経 麻 痺 や 三 叉 神 経 痛 や 脳 炎 髄 膜 炎 に は な る の だ が 。

『 金 匱 要 』 に も 内 中 風 ( 内 風 に 中 る ) に 関 す る 処 方 が あ る 風 引 湯 「 除 熱 癱 癇 」 で あ る 。 癱 ( タ ン ) と は 運 動 麻 痺 の こ と 。 癇 ( カ ン ) と は 痙 攣 で あ る 。 ま た 癱 癇 の 前 に 「 熱 」 を 冠 す る 。 熱 は 内 中 風 ( 風 火 ) ! 、な い し 外 感 風 邪 の 化 火 を 示 唆 す る 。 熱 癱 癇 は 現 代 の 脳 卒 中 の 他 に 、 中 枢 の 感 染 症 な ど も 含 む 。 張 錫 鈍 の 名 方 「 鎮 肝 熄 風 湯 」 は 一 説 に 「 風 引 湯 」 が 起 源 と ?

『 河 間 六 書 』 ( 劉 河 間 ) 「 中 風 癱 瘓 は 、・・・ 心 火 が 暴 盛 し・・・ 」 。 癱 瘓 と は 運 動 麻 痺 の こ と 。 河 間 も “ 火 ” が 脳 卒 中 の 原 因 と 。

脳 卒 中 ( 急 性 脳 血 管 傷 害 = 中 風 ) は 外 風 が 原 因 で は な い 。 内 風 に よ る こ と が 多 い の だ が 、今 日 で は 治 療 の 適 用 外 ダ ~  頭 痛 ・ め ま い ・ 精 神 失 調 ・ 不 眠 な ど の 内 風 は 清 熱 熄 風 だ が ・ ・ ・      
     ( 本 文 は 第 4 回 東 京 漢 方 研 究 会 で 述 べ た 要 旨 で あ る )



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