動 悸 ・ 不 整 脈 は 漢 方 で 治 す


か に か く に 渋 民 村 は 恋 し か り お も い で の 山 お も い で の 川 ( 啄 木 )

IMG_2134IMG_2152










10 年 ぶ り に 実 家 の あ る 盛 岡 市 を 訪 れ た 。 90 に な る 母 の 見 舞 い の た め で あ る 。 東 北 の 地 盛 岡 で 感 じ た こ と は、 東 北 の 人 は や さ し い 。 ひ と を 温 か く 受 け 入 れ る こ こ ろ が 残 さ れ て い る、 と い う こ と だ 。 そ う い え ば 以 前 テ レ ビ で、 旅 行 客 に 親 切 に 接 し て く れ た ま ち の 一 番 が 盛 岡、 と の 放 送 番 組 が あ っ た 。 余 生 は 盛 岡 で 送 り た い と 思 う 。

「 傷 寒 論 」 に、 「 傷 寒, 脈 結 代, 心 動 悸, 炙 甘 草 湯 主 之 」 と い う 条 文 が あ る 。 炙 甘 草 湯 は、 炙 甘 草、 生 姜、 人 参、 地 黄、 桂 枝、 阿 膠、 麦 門 冬、 麻 子 仁、 大 棗 の 九 味 よ り な る 方 剤 で、 一 名 復 脈 湯 と も い わ れ る 。 復 脈 湯 の 名 が 示 す よ う に、 脈 の 乱 れ を 元 に 戻 す 働 き が あ る 。 ウ イ ル ス や 細 菌 が 体 内 に 侵 入 す る と、 正 邪 ( 正 気 と 邪 気 の ) 闘 争 が 引 き 起 こ さ れ、 発 熱 や 発 汗 な ど が 生 じ、 気 陰 が 消 耗 さ れ 不 足 す る 。 「 心 」 の 気 陰 の 不 足 が、 一 定 程 度 に 達 す る と 症 状 が 現 れ る 。

気 ( 陽 ) は エ ネ ル ギ ー ( ATP ) で あ る 。 そ の た め、 心 気 が 不 足 す る と 心 機 能 が 低 下 す る た め、 心 臓 の 収 縮 が 乱 れ 脈 が 結 代 し 動 悸 を お ぼ え る 。 陰 は 人 体 を 構 成 す る 物 質 で あ り、 エ ネ ル ギ ー の 根 源 を 包 含 す る も の と 考 え る 。 陰 と 陽 は 互 い に 依 存 し 合 い、 人 体 の 恒 常 性 が 維 持 さ れ て い る 。 陰 陽 が 不 足 す る と 「 衣 食 住 足 り て、 礼 節 を 知 る 」 こ と が で き な く な る 。 し か し 過 剰 で あ っ て も 「 過 ぎ た る は 及 ば ざ る が ご と し 」 と な り、 健 康 な 状 態 と は 言 え な い の だ が 。

70 代 後 半 の 女 性 。 以 前 か ら 某 医 院 で 高 血 圧 の 治 療 中 。 数 年 前 か ら と き ど き 動 悸 が 出 現 す る も、 改 善 な く 経 過 。 こ こ 1 ヶ 月 は ほ ぼ 毎 晩 2 時 ご ろ に、 動 悸 が 現 れ 怖 く な る 。 寝 付 き は よ い が、 夢 が 多 く よ く 覚 醒 す る 。 イ ラ イ ラ し て 怒 り っ ぽ い 。 体 が ふ る え る 。 3 年 前 か ら 左 下 肢 の 後 面 が 張 っ て 苦 し い 。 血 圧 170/80 。 脈 は 65、 細 偏 弦 。 両 尺 脈 は 微 細 。 舌 は 淡 紅 で 乾 燥 。 陰 血 不 足、 そ の 代 償 と し て 熱 産 生 が 亢 進 し て い る 。 乾 地 黄 7、 山 茱 萸 7、 麦 門 冬 7、 百 合 6、 栝 楼 根 7、 芍 薬 7、 知 母 7、 茯 苓 6、 大 棗 3、 酸 棗 仁 15 を 投 与 し、 降 圧 剤 は 継 続 。 1 週 間 後、 ニ コ ニ コ し て や っ て 来 た 。 動 悸 が な く な っ た 。 夢 も 少 な く な り、 イ ラ イ ラ も 改 善 。 血 圧 も 148/80 と 良 好 。

炙 甘 草 湯 は、 地 黄、 阿 膠、 麦 門 冬、 麻 子 仁、 大 棗 で 陰 を、 大 量 の 炙 甘 草 と 人 参 で 気 を 補 う 。 桂 枝 は 清 気 を 上 布 さ せ、 心 に 移 送 す る 。 そ の た め、 熱 産 生 が 亢 進 し て い る 状 態 ( 陰 虚 陽 亢 ) で は、 気 を 昇 ら せ る 桂 枝 の 使 用 に は リ ス ク を 伴 う 。 心 気 の 不 足 に よ る 動 悸 に は 桂 枝 は 必 須 だ が 。 生 姜 に つ い て も 同 じ こ と が い え る 。

過 剰 の 気 が 火 に 転 化 し、 心 を 衝 ( つ ) く と、 却 っ て 動 悸 や 不 整 脈 が 悪 化 す る 。 本 例 は 陰 が 不 足 し、 気 の 産 生 が 亢 進 す る 陰 虚 陽 亢 で あ る 。 そ こ で 桂 枝 と 生 姜 を 除 き、 胃 や 肝 腎 の 陰 を 補 い、 知 母 で 清 熱 す る こ と で、 虚 火 上 亢 を 鎮 静 化 す る こ と が で き た 。 酸 棗 仁 は 魂 ( 精 神 ) を 安 定 さ せ る 。 気 を 産 生 す る 作 用 が 強 力 な 人 参 も 採 用 し な か っ た 。 本 例 で 用 い た の は、 加 減 復 脈 湯 ( 地 黄、白 芍、麦 門 冬、 炙 甘 草、阿 膠、麻 子 仁 ) 加 味 で、 滋 陰 と 清 熱 を 強 め て い る 。


にほんブログ村

テーマ:漢方・東洋医学 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

最新記事
最新トラックバック
カテゴリ
QRコード
QRコード